体幹軸で走る!
走りには、普通の走りと、体幹軸走りが有るのをご存知でしょうか?
「普通の走り」とは
一般的に行われる右腕が前に出た時は、左脚が前に出る走りです。
左腕が前に出た時は右脚が前に出ます。
この走り方は、最も一般的で体幹、つまり上半身は基本的に動きません。
つまり、腕と脚で走る形になります。
野球で言うなら、手投げ。
テニスで言うなら、手打ち状態です。
これに対して
「体幹軸走り」は
体幹の中にある軸(背骨ではありません)から動く走り方になります。
顔は動きません。
体幹軸で走る場合、体幹軸を中心に腕の代わりに肩が振られます。
肩が振られる訳ですので、腕は絶対的位置としては振られますが、
体幹の相対的位置から見るとほとんど振られません。
体幹軸からの動きのリズムを表している動画
これを「竹とんぼ」で言えば、羽を持って回しても軸がぶれるばかりではなく飛んでも行きません。
軸棒を回した方が羽は速く回り、軸が安定した状態で飛んで行くのと同様に
体幹軸から動かす様にすると容易に動くことが出来ます。
体幹軸を使って走れるアスリートが多いスポーツは、
サッカー、テニス、バスケットボール、ボクシング、野球、ラグビーなどが上げられます。
これらのスポーツは、体幹軸走りをしないと上手く動けないので
分かって走っている人もいるかもしれませんが
動き易い様に自然と、そういう走り方をする様になった人がほとんどだと思います。
移動する時は「普通の走り」をして、
打つ蹴る投げる時は体幹軸を使うと言う様に切り替えている人もいます。
切り替えている場合、それぞれのリズムが連動していない為一瞬ロス時間を生じてしまいます。
体幹軸走りはサッカーやバスケではドリブルで効果をより発揮し、
シュートなどに連動した動きになって行きます。
テニスはボールを追ってからのスウィングを容易にし、ラグビーではボールを抱えての走り易さに直結します。野球ではボールを追う・取る・投げるがスムースにいき、ボクシングではオフェンスやディフェンスのリズムが覚えたコンビネーションに留まらず無限にそのリズムをつなぐ事が出来ます。
これらのスポーツに対し、陸上競技の走りは、残念ながらトップクラスのランナーであっても、
一部を除いてほとんどの人が腕と脚、しかも筋力で走っています。
この事は、裏を返せば「もっと記録が伸びる!」事を意味しています。
体幹軸走りのメリットについて
末端の筋力を使わず体幹の筋力を使う為、出力が出る割に疲れ難くなります。
走行中頭の高さにブレが生じ難く、体幹が安定した状態で走る事が出来ます。
走るだけではなく、ほぼ全てのスポーツ動作に即直結し、時間的、動きのロスを生みません。
登山や階段を登っていて疲れてきた時に、
例えば右脚を前に着いて上がろうとする際
右手で太ももを押す様に上がると登り易いのと同じ動きになります。
これは単に右手で脚を押すからでは無く、
上半身が左側に向く様に開きながら上がる事で体幹軸を使い右半身全体で上がっていくからです。
これと同じ様に、体幹軸走りは体幹軸を基に右半身左半身全体を使って走る走り方になる訳です。
しかしながら体幹軸走りは股関節を使って動く為、けっして体幹が捻れると言うわけではありません。
体幹軸を使った動きののリズムに加えて、前方へ重心移動する事で、筋力に頼らない効率の良い
走りが可能になる為、同じスピードで走った時に心肺系に負担がかからず、息が上がり難くなります。
同じ疲れ方なら、もっとスピードを上げる事が可能になっていく訳です。