シンスプリントの原因
「シンスプリント」はスポーツ障害の中でもポピュラーな疾患です。
陸上競技は勿論、下肢をよく使うスポーツにおいて多発する傾向があります。
原因として色々な考え方もある様ですが、最も大きな原因は極めてシンプル。
「患部に負担が掛かり過ぎた」 と言う事に他なりません。
そしてその中で、大きく二つの原因に分かれます。

一つは「アライメント不良」
足の形が悪くどうしても負担がかかってしまうタイプ(主に回内足)です。
これはインソールをメインにテーピングなどで補正しなければ、
体重を掛けるだけで負担がかかるタイプです。
特に足裏全体に体重を掛けた時にスネの内側が痛くなるタイプの人は、
アライメント不良によるものです。
もう一つの原因として最も多いのが「使い方」です。
これは前足部、つまりつま先で蹴って走ったり跳んだりするタイプの人です。
勿論両方がミックスされて痛みが出ている方もいます。
ここでは最も多い「使い方」が原因でシンスプリントになる理由を説明していきます。
それでは何故つま先で蹴ってはいけないのか?
つま先で蹴らなければ速く走れない、速いフットワークが出来ない、ジャンプが出来ない等と
思ってしまう方がほとんどだと思いますが、
実際のところは、つま先で蹴れば蹴るほどパフォーマンスが落ちていきます。
短距離であろうが長距離であろうが、走る際にはつま先で蹴る、あるいはつま先に力を入れると言う事は
前に移動しようとする重心を後ろに戻してしまう為に速度を遅くしてしまいます。
そうしたブレーキをした後に脚力とくにつま先で蹴って前に進もうとする事は非常に効率が悪くなります。
バドミントンやテニス、卓球、バスケ、野球などのフットワークに関しても、つま先で蹴って移動しようとすると
一度「タメ」を作らなければいけなくなる為、一瞬遅れを生じ、もう一歩の追いつきが間に合わなくなります。
ジャンプも体操競技などのタンブリングの様な、アキレス腱の伸長反射を使う瞬発系のジャンプを除き、
出力は大きな股関節周辺及びハムストリングスを使った方がジャンプ力が上がるばかりではなく
疲労度が全く違ってきます。
つま先をメインに使うと言う事はパフォーマンスが落ちるばかりではなく、
小さな筋肉や骨や関節を使う為、足部の障害を起こし易くなりなります。
「シンスプリント」はまさにその典型で、
趾(足の指)を曲げる長趾屈筋がスネの内側の骨(脛骨)裏面に付着している為
つま先で蹴る依存度が高いほど障害を起こし易く
その筋肉その物、付着している骨、そして疲労骨折とステージが上がっていきます。
ちなみに、やや内側に蹴っていくと内側のスネが、母趾で蹴るのが強くやや外側に蹴る様ですと
下腿の外側にある腓骨筋系に痛みが出る傾向になります。
シンスプリントは単なる練習のやり過ぎでは無く(もちろん身体を回復させる時間を無視した過度の練習は問題)、依存度の問題です。
安静にして症状が改善しても、同じ様に身体を使えば100%また障害を起こします。
筋力が無いわけでも無く、体力が無いわけでもありません。
以下のブログを見ていただき、参考にしていただければ幸いです。