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かかとを浮かして構えてはいけない(2)

前回は、移動に瞬間に反応するにあたっての構えで

「筋力を使い蹴って移動しようとする」発想と

「身体のバランスを崩して移動する」発想があり、前者は遅くなる上に障害リスクを大幅に上げてしまうという事をお話ししました。

身体のバンスを崩しての移動では、飛び跳ねるのではなく

「膝抜き」によって着いている足の位置を変えつつ、身体を行きたい方向に重心を崩しての移動となります。

この方法のポイントは筋力よりも重力を最大限利用するという点になります。

この時なぜ「つま先」立ち構えはいけないのか?

を、補足して説明していきます。

踵を浮かしてのつま先立ちでは不安定で、ふくらはぎの筋肉に無用な緊張を強いられる事は前回もお話ししました。

加えて、膝より末端の筋肉が主に働いていると肝心の股関節周囲の筋肉の出力準備が出来ておらず、かえって身体の反応を遅らせてしまいます。

コンパスと同じように、末端の動きは根元(股関節)の動きによって見た目大きく動くことになります。

一般的に大きく動く所に目が行きがちになり、指導者のほとんどの人たちは足首からつま先や膝の動きを選手に意識させる様な言葉を使い指導してしまいます。

重力を最大限利用し身体を移動させる為には、楽で安定し、なおかつ重心を崩し易い「ベタ足」から支えている足の位置を変え、身体の「崩し」を主に股関節周囲の臀筋やハムストレングス(もも裏の筋肉)をアシストとして使います。

べた足から重心を崩す事での移動(フットワーク)の一部

このやり方を練習するプログラムを、他ではほとんど見たことが有りませんが、上手い選手は自然にやっています。

移動での重力利用では、筋力依存が少ない為障害リスクが低く、疲労を起こし難い上に「タメ」を作らないのでボールや相手に対しての反応が速くなります。

また「タメ」が無いという事は相手にもその動きの予想を察知され難くなります。

日本フィジカルスキル協会ではフットワークの基本としてこのテクニックを重要視しています。

次回は楽で安定している上にバランスを崩し易い『ベタ足』のことについて話したいと思います。

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