短距離走が速くなるコツ!!(2)
前回は、
「走る時膝を高く上げようとしてはいけない!」
について説明しました。
膝を高く上げようとすればする程送り足のパワーを落としてしまうと言う事でした。。。
今回は、
「つま先で蹴ってはいけない!」
について説明していきたいと思います。

「いかに速く走るか」と言う事は、言い換えれば
「いかに速く身体の重心移動を行うか」と言う事になります。
身体の重心を前に速く移動させる時のポイントは、
支えている支点と重心線の距離をいかに離すかと言う事になります。
つまり倒れようとする力を最大限利用すると言う事です。
走る時、当然ですがつま先より踵(かかと)の方が後ろにある為、
重心移動で身体が前傾した時につま先で蹴ろうとすると身体を起こそうとする力が働き、
重心を後ろに戻してしまう事になりブレーキ効果となってしまいます。
下の写真は、左が踵を着いた状態、右が踵を浮かしつま先立ちをした状態です。
前足部に力を入れて踵を浮かすと支点が趾(足の指)の付け根(MP-joint)になりますので、
身体全体を起こしてしまいます。
つまり前に行きたいのに身体が起きてしまう為ブレーキ効果が発生してしまうと言う事です。

支点から重心線までの距離 A>B
支点から重心線の距離が長いほど倒れようとする力が大きくなる。
結局、つま先で蹴ってしまうと言う事は身体全体を起こしてしまう為、
ブレーキ効果が働いてしまい遅くなってしまうと言う事になります。
短距離走の特に後半、一生懸命蹴れば蹴る程思ったより前に進まず、
もがいている感じになる理由の一つです。
また、それに共ない前足部から足首で蹴ると言う事は、ふくらはぎに負担がかかる為、
良く言えばふくらはぎが発達すると言う事になりますが、
悪く言えば発達し太くなる為重りになってしまうと言う事になります。
そればかりか、脚の末端部に負担がかかる為アキレス腱炎やシンスプレント、
ふくらはぎの肉離れ、アキレス腱断裂、有痛生外脛骨、中足骨の疲労骨折、
踵骨骨端症、足底腱膜炎、種子骨障害など多くのスポーツ障害を引き起こしてしまいます。
まさに百害あって一利なしになるのです!
では、重力と共にどこでアシストしたら良いのでしょう?
それは股関節になります。
筋肉で言えば臀筋からハムストリングスになります。
ハムストレングスは膝では膝を曲げる筋肉になりますが、
股関節からすると股関節を進展させる役目を担(にな)います。
身体全体の前傾及びつま先から足首の脱力により
臀筋からハムストリングスをより上手く使えるようになるのです。
逆につま先や足首で蹴ってしまうと身体全体を起こしてしまうばかりか
連動として膝に負担がかかり易くなる為、膝周辺部の疾患として
大腿四頭筋系の疾患(膝蓋腱炎やオスグッド、大腿四頭筋腱炎など)を起こし易くします。
また、肥大した大腿四頭筋は同じく重りとなって抵抗を強めてしまう事になるのです。
次は「重心を下げないように、身体を上に吊る感じで起こして走ってはいけない」
について説明していきたいと思います。
関連記事